田園風景の中で暮らす家
ここは南面に田園風景が大きく広がります。よく見る田舎の風景ですが、この見慣れた風景を特別な風景へと変えることがコンセプトになると考えました。 周りが良く見渡せる様、生活の中心を二階に押し上げ、平面プランを円形に近い正五角形としました。そこに配置した連続窓は風景を切り取ります。それは季節、時間、天候等の諸条件により変化します。 五月には若々しい緑と優しい陽射しに包まれ、秋には稲穂が頭を垂れ収穫を待ちます。生活に四季折々の自然を取り込むこととなります。元来、人の体は自然です。人と自然が密接な関係にあるということは人が人らしく居られるということではないでしょうか?
竣工後、連続窓に入る風景をぼーっと眺めていたのですが、普段感じ取れない空気に包まれました。 特別な風景へと化したことにハッと気付いたのです。ご家族の新たな生活に、少しでも浸透するといいな。 その時は今よりお酒が美味しいは ず!
(古家智之)
【三輪の家】
主要用途| 専用住宅
家族構成| 夫婦+子供1人
構造・構法・規模| 木造在来工法
地上2階
建築面積 51.61m2
延床面積 100.88m2
撮影|尾藤公生